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そういった、手を使って描いたり作ったりすることの効果を活用するために、セラピストが子どもに特定のものを描くように提案してみることもあります。
このような アート、工作用具を準備する際の配慮点として以下のようなことが考えられます。
1. 紙やマーカー、色鉛筆、絵の具などは色々な色を準備する(寒色、暖色の両方を入れる)。
2. マーカー、色鉛筆、鉛筆が使える状態であるかを毎回確認しておく(マーカーが乾いて書けなくなって いないか、鉛筆、色鉛筆を削る必要があるかなど)。
3. 鉛筆と対で消しゴムも忘れずに(マーカーや色鉛筆があるのに、鉛筆を子どもが選ぶ場合、「失敗すること」を 恐れてそのような選択をしていることが多くあります。「鉛筆なら消して何度でも書き直せる」という安心感があるので、そのためにも消しゴムは忘れないようにしましょう)。
4. 紙は沢山置いてあればあるほど、子どもはそれ全部を使おうとする傾向があるので、数枚だけ目に見える所においておく。
5. 絵の具を置く場合は、水へのアクセスを考えておく。また絵の具がこぼれても大丈夫な環境を設定する(例えば絨毯ではない所に絵の具セットをおく、絨毯の場合はビニールシートを敷いておくなど)。またインテーク時に、プレイセラピー中、絵の具を使うことになるかもしれないので、出来るだけ汚れても構わない洋服を子どもに着せて来室するように保護者の方に伝えておくと良いかもしれません。
6. 絵の具やマーカーを置く場合は、もし子どもが自分の体のどこか、またはセラピストの体のどこかにそれらで何かを書こうとした場合は、どこまで許容してどこから制限設定をするかというガイドラインを前もって考えておくことも助けになるかもしれません(ケースによって許容する範囲が変わる場合もあるかもしれません)。
7. 作った作品を子どもが持って帰りたがる場合があります。作品の持ち帰りをOKとするかどうかは、それぞれのセラピストが立脚する理論や子どもの状況によって異なると思います。しかし、デジタルカメラで子どもの作品の写真を取れるようにして おくと、万が一子どもが作品を持って帰った場合でも、記録として写真を取っておく事ができます。またその反対で、記録として作品を保存し、写真を子どもにあげることもできます。
Malchiodi, C.A. (1998). Understanding Children's Drawings. New York: Guilford.
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