子どもの心の準備を促す人形劇

 

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 もし、いつも行くスーパーマーケットが毎日品物を置く場所を変えていたら、もし、いつも乗る電車が、時々各駅に停車したり、急行になったりしたら、もし、いつ、どこのチャンネルでどのテレビ番組が放映されるか毎回変わったら、どんな気持ちになるでしょう。慣れないことに苛立ちを感じたり、次に何が起きるのかわからず不安になったりするのではないのでしょうか?日常生活における習慣を守ることは、子どもがこの先何が起きるのか予測をすることを可能にし、そして「予測できること」は子どもの不安を減らし、それ故不安が元となって起きる問題行動も減少するのです。

 3月11日におきた東日本大震災以後、私たちの生活は大きく変化しました。そのような中でも、子どもがまた安全に感じられるように、震災以前に習 慣的に行っていたことは、できる限り維持して行うか、または、 しばらく止める必要があったのなら、なるべく早く少しずつでも再開するように心がけることを、私たちは保護者の方に勧めてきました。とは言っても、まだま だ避けることのできない様々な「変化」が子ども達の生活の中で待っていることと思います。そこで、今日は、これから起きる変化に対して子どもが不安を高め ないようにする人形劇の方法を紹介したいと思います。

 この人形劇は、基本的には現実 生活でこれから起きることについての創造的な物語です。お子さんに本を読んであげるのと似ていますが、それとの大きな違いは、人形劇では、お話とともに動 き回ってシーンを作る人形を見て、子ども達は情報を聴覚と視覚の両方から取り入れることができるのです。子どもは何かを学ぶ時、視覚に頼るところが大きい です。他にも、この人形劇の特徴として、次のことが挙げられます。

1.    本からお話を読む代わりに、保護者の方がお話をつくります。

2.    お話には、お母さん、〜ちゃん、学校の先生、などといった、実際存在する登場人物が出てきます。

3.    お話は、実際のこと、大抵は2−3日のうちに起きるこれからの出来事についてです。

4.    人形劇をするにあたって、具体的な目的を持ちます。例えば、Aくんは新しい幼稚園にいくことをとても心配しています。ここでは、あなたの目的はAくんが新しい幼稚園に行くことを少しでも心配しないように助けてあげることとなります。

5.    子どもがお話を覚えていられるように、効果音など劇的な要素を加え、楽しいものとします。

 

   お話を作るステップは以下の通りです。

  1. お話の始まり、途中、終わり、という展開を考えます。子どもの注意力がきれる前にお話を終えるように、お話全体を3〜5分くらいでまとめましょう。お話は、頭の中で考えておいてもいいし、台本として使うために短く書いておいてもいいでしょう。
  2. 登 場人物には実在する人の実名を使って紹介します。登場人物となる人形は子どもの持っているおもちゃから選んでもいいし、おもちゃが手元にあまりなければ、 紙に書いた人間の形を切り取って使っても良いでしょう。どんな登場人物がでてくるかを子どもに話して、子どもに登場人物になるものを選んでもらってもいい でしょう。
  3. 題となる一文から始めましょう(「これはA君が〜幼稚園に初めて行く日のお話です。」
  4. お話の中では、主人公を子どもの名前でよびましょう。例えば「Aはバイバイってママに言っています。」と言います。こうすることで子どもは自分に話を関連づけながらも、お話として、客観的に聞くことができます。
  5. 実際に起きることが保証できることのみを話しましょう。実際に起こりえないこと、(「その日、幼稚園にスパイダーマンが来ました。」など)や、起こるかどうか保証できないこと(A君は新しい幼稚園でとっても楽しい思いをしました。)など)はお話に入れないようにしましょう。
  6. あなたが実際にできる範囲の、楽しいことでお話を終えるようにしましょう。例えば、「しばらく経ってお迎えの時間になりました。ママはA君をお迎えに行き、そして帰りに駅前で二人でアイスを食べました。」(このようにお話を語った場合は、実際に幼稚園の帰りに駅前でアイスを食べることを忘れないようにしましょう。)

人 形を使って写実的に見せることは、言葉で聞かせるよりも、ずっと影響力があります。保護者の方は、人形劇の中で、お話を演じるのはぎこちなく感じられるか もしれませんが、辛抱しましょう。あなたの子どもはきっとそんな風にやってくれるお母さん/お父さん、大人の人形劇を楽しむでしょう。そしてこれからどん なことが起きるのかのイメージがつかめ、心の準備をする助けになることと思います。



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