怖いおもちゃ

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「これから日本の被災地に送る為のおもちゃを買いに行くの。怪獣とか蛇とかエイリアンとか...」と友達に言ったら、「怖い思いした子どもに怖いおもちゃをあげるの????」と怪訝な、そしてびっくりした反応が返ってきました。

怖い、寂しい、不安な思いをしている子どもには、ほっとできるような、ちょっとでも元気の出るようなおもちゃをあげようと思うのは当然のことです。やすらぎの気持ちや、楽しい思いを与えてくれるのは、おもちゃの大切な役割の一つです。し かしおもちゃにはもう一つとても大切な役割があります。それは、子どもの「言葉」の代替となることです。まだ言葉の発達が途上である子ども達は、おもちゃ を使って遊びの中で色々なことを伝えてきます。おもちゃにそのような役割を担ってもらう時には、様々な種類のおもちゃを準備する必要があるのです。

所謂「怖いおもちゃ」は、怒り、イライラ感、嫉妬感などを子どもが表現する為に使われることがよくあります。「僕 は怒っているんだ!」「もうこんなの嫌だ!こりごりだ!」「頭に来たぞ!」という気持ちを子どもが表現するためには、可愛いお人形やぬいぐるみよりも、パ ンチングバッグや恐竜、兵隊さん、といったおもちゃの方がよりしっくりと来て、子どもたちのそういった気持ちを表現しやすくします。また、怖いおもちゃは 子どもの気持ちを表す手段となるほか、「恐怖」「破壊」の象徴として使われることもあります。幼稚園児から小学校低学年くらいまでは、知覚の影響、見た感じ・聞こえた感じ・触った感じなど、によって思考がコントロールされる時期です。幼い子どもの思考の中では、町をめちゃくちゃにした津波や地震のイメージと、物事をめちゃくちゃに破壊する程の力のある恐竜とが一致し、恐竜のおもちゃが地震や津波の象徴として遊びの中にでてくることもあるかもしれません。

もう一つ、子どもの遊びの中での怖いおもちゃの使われ方として、守ってくれるおもちゃ(例えば、パトカー、救急車、ヘリコプター、自衛隊、スーパーヒーローなど)と怖いおもちゃの対決シーンを展開するということがあります。自分を圧倒するような怖い体験(怖いおもちゃがそのような体験の象徴となります)に対して、守ってくれるおもちゃを使って戦いを挑み、守ってくれるおもちゃが勝っていく、征服していく、という遊びを展開するのです。このような遊びにはとても大切な意義があります。色々な被害がある中で、「なにも自分にできることがない...」といった無力感を子ども達が抱くことがあります。このような遊びはそのような気持ちを自分で乗り越え、緩和し、子ども達を力づけるような効果をもたらすことがあるのです。

このように怖いおもちゃの必要性を友達に説明すると、「なるほどね〜。僕の職場に怖いおもちゃを持って行って、職場で怒り出したりする同僚に渡したいよ...」と一言。ちなみに、遊びのこのような使い方は大人にも適用できると言われています。

 

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