第三回 今回ご紹介する本

Landreth, G. & Bratton, S. (2006). Child Parent Relationship Training (CPRT):A 10-session Filial Therapy Model. New York: Routledge.


Bratton, S., Landreth, G., Kellam, T., & Blackard, S. R> (2006). Child Parent Relationship Training (CPRT) Treatment Manual.  New York: Routledge.

 

  


  近年心理臨床の領域でも「親トーレニング」という概念が益々普及してきているようです。その様なトレーニングの一つとして今注目を浴びているChild-Parent Relationship Training (CPRT)の本を今回はご紹介したいと思います。

  プレイセラピストの中には、「プライセラピーの中でどうやって子どもと関ってゆけば良いのか多少の自信はあるけど、親との面接はどうも苦手...」と思わ れている方は少なくないのでは、と思います。正直言って私も以前はそのような気持ちを抱いていました。しかしこの本と出会い、そしてCPRTセ ラピストとなるトレーニングを受ける事によって、自分のその様な劣等感を克服することが出来た一方で、親を一治療チームメンバーとして招き、そして子ども に治療的に関れるようにトレーニング、教育していく事がもたらす多層における変化と、その効果の大きさに驚き魅了されるようになりました。

 1960年代、アメリカの心理学者 Dr. Bernard Guerney, Dr. Louise Guernery 夫妻が、親子間に既に存在する関係に注目し、親に子ども中心プレイセラピー(Child-Centered Play Therapy: CCPT)の基本的なスキルを伝授するというアプローチを体系化し「フィリアルセラピー」と命名しました。その後、本来は治療に一年以上かかるフィリアルセラピーを10週間という短期間のプログラムにDr. Garry Landreth がまとめたのがChild Parent Relationship Training (CPRT) です。CPRTについてはこれまでに多くの研究がなされており、その効果が科学的に実証されています。

 この「CPRT」という言葉にも実は色々な意味が込まれています。Landrethはこのトレーニングでは、子どもの気持ちやニーズを優先すること、子どもが中心となって親とのセッションが行われることなどを強調するために“Child”という言葉を先に持って来ました。確かに、日本語でも「親子」という言葉はあっても「子親」という表現はないですよね。また、CPRとは日本語でいう「心肺機能蘇生法」のことを意味し、崩れかけている親子の関係を「蘇生する」アプローチという意味も含まれています。

 CPRTは、親と子ども両者が成長していくパラレルプロセスです。そして多くの場合、二人の変化はそこだけに留まらず、夫婦間、兄弟間、などにも発展していき、様々なシステムの再構築が喚起されます。

 子どもが8人おり、そして一年前に妻を病気で亡くした父親がCPRTを受けた後に、こんな感想を言いました。「これまでの僕はただ子ども達が”いる”とだけ思っていたけど、今は子ども達を”育てている”と感じられるようになった。」

 本著と一緒に、CPRTを実際に行う時のマニュアルも発行されています。両書とも日本語訳が現在検討されています。乞うご期待。

(文責:ファリス小川)

 

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