過去に紹介された本:

第1回 ゲリーランドレス)(2003)プレイセラピー関係性の営み


第2回 Schaefer. C.(Eds.).(2003). Foundations of Play Therapy. 


第3回 Landreth, G. & Bratton, S. (2006). Child Parent Relationship Training (CPRT):A 10-session Filial Therapy Model. New York: Routledge


第4回 Booth, P. B. & Jernberg, A. M. (2009) Theraplay: Helping Parents and Children Build Better Relationships Through Attachment-Based Play.


第5回 ヴァージニア・アイアンサンド作, フランク・ロジャース 絵, 左近リベカ訳(2005). 「でっかいでっかいモヤモヤ袋」草炎社


第6回 Schaefer, C. (Ed).  (1993). The therapeutic powers of play. New Jersey: Jason Aronson.


第7回 飽田典子(1999)「遊戯法 子どもの心理臨床入門」新曜社


第8回 小倉清(1996)「子どものこころ:その成り立ちをたどる」慶應義塾大学出版社


第9回 Schaefer, C., & Cangelosi, M. (Eds). (2002) Play Therapy Techniques: second edition. New Jersey: Jason Aronson


第10回 GIl, E. (2006). Helping abused and traumatized children:Integrating directive and nondirective approaches. New York: Guildford.


第11回 Lerner, C. & Parlakian, R. (2007). Learning Happens. (DVD). Washington, DC: Zero to Three. 


第12回 Landreth, G . (1997). Child-centered play therapy: Clinical session. Denton, TX: Center for Play Therapy


第13回 Perry, B.D. & Szalavitz, M.(2006) The Boy Who Was Raised as a Dog. New York: Basic Books


第14回 Axline, V.(1964) Dib: In search of self(日本語訳:開かれた扉)





























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このページでは、プレイセラピーに関する書物、論文、ビデオ、映画などを紹介していきたいと思います。ここで紹介された物を読まれたり、見られたりしての感想や、どのよにそれらを役立てていらっしゃるかなどの皆さんのお声も是非お聞かせください。ご感想はこちらまでtokyocpt@gmail.com

 

第15回 今回ご紹介する本

松本大洋「Sunny」1~4巻以下続刊、小学館

 

 
 

「小さな図書館」で、今回初となる漫画作品の紹介です。


漫画にも、子どもの心や世界を感じるのにすぐれた作品がたくさんあります。
その中でも、今回取り上げるのは、松本大洋の「Sunny」(サニー)という作品。
今も連載中の作品です。


松本大洋は、これまでも、「鉄コン筋クリート」や「GoGoモンスター」などの作品で、
個性的で生き生きとした子どもの世界を、表現力豊かな絵とセリフの物語で
創りあげてきた漫画家です。
彼の漫画を読むとき、お話しはファンタジーでありながら、
非常にリアルに感情にせまってくるその感覚は
子どものプレイセラピーに寄り添っているときに抱く感覚にそっくりだと私は感じ、
彼の作品にある世界を、大切な子どもたちとの出会いのように毎回読んできました。


彼の最新作である「Sunny」は、彼自身の少年時代の実体験を基にして
創りあげられているとのことですが、
星の子学園という、事情があって親と暮らせない子どもたちの生活の場のお話です。
そこに出てくる子どもたちは、どの子どももいろんな思いを感じています。
親への思い、過去への思い、今という時、先に対する思い、
友達と、あるいは自分自身の中で作る世界で体験する思い、
そのような様々な思いと時を生きている様が、とてもダイナミックかつ繊細に
描き出されています。
お話しの中で、子どもが内面を言葉ではっきりと語ることは、実際の子どもがしないのと同じく、
あまりありません。
でも、私たちは、描かれている子どもたちの行動やセリフ、表情の一つ一つから、
その切実な思いを感じ、
子どものユーモアを感じる瞬間にたくさん出会います。
これもまた、彼の作品がプレイセラピーに非常に似ていると私が感じる所以です

少しネタバレのようなことになりますが、
タイトルになっているサニーとは、子どもたちが暮らしている星の子学園の離れに
ぽつんと置いてあるポンコツ車のことで、
子どもたちが「サニー」と呼んでいるその車は、どうやら特別なものらしいことが、
私たちが読み進めるにつれて徐々にわかります。
子どもたちはそのサニーで、それぞれとても大切なときを過ごします。
サニーの中そのものが彼らにとっての世界であり、
様々な願いや苦しみ、整理できないいろんな気持ちを
サニーの中で感じて生き抜くことが自然と生活の一部になっているところが丁寧に描かれます。
言うまでもなく、私がプレイセラピーの中で子どもの大事な気持ちに触れたときの
敬や驚き、感動を、そこでも同じように覚えずにいられません。
そして、私自身も、そしておそらくどの大人も、子ども時代に感じていた
心もとなさ、心細さ、限りあることへの怒りとあきらめ、せつなさなど、
胸が痛くなるほどの生きる美しさと苦しさを感じていたことを
い出させてくれるのだと思います。

私は、一人一人の子どもにまた出会いたくて、続刊が出るのを心待ちにしているのです。


(文責:湯野貴子)


 
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