特集:「赤ちゃんに「本物を」って?「ほんもののおもちゃ」ってなあに??」(2) 


 

 春が待ち遠しい季節ですね。去年の今頃は次女 がまだ生後5ヶ月で、うつぶせ寝で遊ぶことが多かったのを懐かしく思い出しています。この写真は、誕生祝いにぴあのさんから頂いたケテ・クルーゼの「がら がら入り スマイル人形(女の子)」で5ヶ月の頃の次女が遊んでいる写真です(スマイル人形は布製で、なめても噛んでも安全、カラフルでふーわふわのお人 形です。中に小鈴が入っていて、振るとチリチリと優しい音がします)

 

 さて・・。前回「ぴあの的に考えるほんもののおもちゃ」の条件を4つご紹介しました(詳しくは、第5回を是非ご覧下さいね)。最近雑誌を読んでいて、この4つの条件に関係するようなご意見を見つけたので、合わせてご紹介します。

 松本在住の木工デザイナーの三谷龍二さんは、あるエッセイの中でこうおっしゃっていました。「とくに三歳までの幼児期は、すごい速度で世界を理解していく時期です。だから見る物、手に触れるものから受ける情報も膨大だと思われます。(中略)やはり自然素材は奥が深いから、その分子どもに伝わるものも多いように思うのですが。」*1

 東京巣鴨の木のおもちゃの店・ウッドワーロック店主の斎藤直之さんは、「いいおもちゃ」について雑誌の中でこうお話されています。「ぼくが考えるいいおもちゃとは、シンプルで、空想や展開の余地があって、今持っているおもちゃに組み合わせられるもの。」*2


「ほんもののおもちゃとの大切な出会い・子どもにとっての旬の遊び」

 以下はぴあのさんとの沢山のやりとりで教えて頂いたことをまとめたものです。

 30年ほど前のBRIOのポスターに「子どもにとって、遊びは仕事、おもちゃは道具」というコピーがありました。大人の仕事や、その道具にも様々なものがありますが、子どもの遊びもおもちゃも、同じように考えることができそうです。子どもの生活の中で、メインとなるのは「遊び」です。

 生活の中を大きく占める遊びには、いろいろな種類がありますよね。公園での外遊びも、自然の中での遊びも、家の中での遊びも、場面によって遊びは違っても、それぞれが大事なもの。子どもは毎日、様々な形で遊びを体験して自分に取り入れて、自分を作っていきます。その大事な遊びを、充分に味わい・広げ・深めるのに向いているおもちゃも、残念ながらあまりそうでないものもあります。できれば、お子さんにおもちゃを選ぶ時、親御さんにふとそんなことを思い出して頂けると嬉しいです。

 実際におもちゃを選ぶには、お子さんの年齢はとても大事な情報ですが、年齢に見合った遊び、ということで、ママたちから「うちの子もう○○歳なのに、このおもちゃで○○しない」という相談をお受けすることがあります。実は、子どもの「旬の遊び」「旬のおもちゃ」は、おもちゃメーカーが記載してくれている一般的な適用年齢やガイドラインとは異なる場合もたくさんあります。なので、メーカーのいう年齢ぴったりでお子さんが興味を持たなくても、親御さんが焦る必要は全くありませんよ。そっと遊びの場に置いておくことで、お子さんが徐々に興味を持ち、ガイドラインの時期とは遅れても楽しく遊び始める時期がちゃんと来る、ということも少なくありません。身近にいる大人が「お子さんの今」をみて、できるだけ「その子の今」に合うと思われるおもちゃを選んであげようとする視点があれば充分だと思います。(たなべ注:やはり親だけで判断するのはとっても難しいので、ぴあのさんのような方に、お子さんの現状をお話ししながら気軽に相談できると有り難いですよね!)

  

 少し長い目で、その子の興味が芽生える時期を楽しみに待ってあげることも大切ですが、反対に、一般的な適用年齢よりもずっと高い年齢であっても、そのおも ちゃに強い愛着や興味を持つこともあります。例えば、7歳のお客様が「小さい頃からずーっとこれが欲しかったから」と何年も考えに考えを重ねて!クーゲル バーンを選ばれることもあります(たなべ注:クーゲルバーンは、最後にチンチロリン、ときれいな音がする玉転がし、一般的には乳幼児向けのものです。写真 は、1歳3ヶ月の次女がクーゲルバーンで真剣に遊んでいるところです。ちなみに、これがファーストクリスマスの贈り物でした。)

 6歳のお子さんが、プルトーイ(ひもを引っ張っ て歩いて遊ぶおもちゃ、一般には乳幼児向け)のメリーゴーランドを「とってもきれいだから!」と大切に選んで遊び、親御さんもそれを暖かく見守って買って あげる、というような場面にもお店で出会えたことがあります。そんな場面に居合わせられた時には、お子さんの自分の今を知るこころと、その気持ちを固定観 念にとらわれず子ども第一に受け止めておられるママのこころに、とっても感激してしまいます。

 ぴあのさんのお話に加えさせて頂くと、周りの お子さんよりも少々早くても遅くても、その子の成長を支え、次の成長を引き出してくれる役割を持つ「大切な仕事」に使う「道具としてのおもちゃ」と考える と、大人にとってもある種の責任があり、同時に選びがいがあると思いませんか?お子さん1人1人がそれぞれ、様々な背景から「旬の遊び」を持っています。 おもちゃはその意味でも、とっても大切に扱って欲しいもののひとつです。

 特集(3)(4)では、ぴあのさんが挙げておられる4つの条件にぴったりくるおもちゃを、写真をつけながら具体的にご紹介していきますね。どうぞお楽しみに。

 (引用させて頂いた雑誌です)

*1 三谷龍二「子どもの道具」母の友693号 福音館書店 

*2 ウッドワーロック「心に栄養、楽しいおもちゃ おもちゃを通して遊びを広げる」かぞくのじかんvol.14 婦人之友社




(文責:たなべ ともえ)

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