大人でも子どもでも、セラピーという心の旅において、夫々が毎回違った航路を取る事はセラピーの醍醐味でもあり、そして複雑さ、難しさでもあります。まして、言語表現の比重が少くなりえるプレイセラピーにおいては、その旅の複雑さが倍増するように思います。それ故にでしょうか、プレイセラピーを説明すること、説明されて理解することは一概に簡単なことではありません。セラピストの方の中には、プレイセラピーを友達や他職の方、または保護者の方に説明しようとしてもなかなか上手くまとめて伝える事ができない...という経験をお持ちの方は少なくないことと思います。そして、保護者の方には、プレイセラピーについての説明などされたこともないという方、またはセラピストが説明してくれたけれども、いまいち理解できない...という方もいらっしゃるのではないかと思います。


そこで、このページでは、インテーク(保護者とプレイセラピストの初回面接。通常は子どもは出席せず親御さんとセラピストだけで行われます。)においてプレイセラピーについて保護者の方に説明していく過程を、一つ一つ丁寧にみていきながら、プレイセラピーを分かりやすく解説していきたいと思います。

以下はあるお母さんが、お子さんのことで相談にいらしたときの、お母さんとプレイセラピストとの会話です。

 「プレイセラピーってどんなものだかご存知ですか?」「お子さんをここにつれてこられることをどのように説明したらよいかということを少しお話したいと思うのですが...」「プレイセラピーの後にこんな対応をして頂きたい、またはこんな対応はお勧めしないなんてこともちょっとお話させてくださいね。」などと、お母さんとのインテーク面接を進めていくと、お母さんの目が段々と大きくなっていくのがわかりました。

 「初めてお会いしたのに、こんなに沢山の情報を提供されて圧倒されてしまいますよね」と言うと、「ええ...まあ...」とお母さん。続けて「...前に家の子をカウンセリングに連れて行ったことはあるのですが、こんなに色々と説明していただいたことは初めてで...。いつも子どもは他のお部屋に連れて行かれて、何をやっていただいているのか全くわからず、子どもの担当の先生にお任せするだけでした。セラピーに連れて行くということも今までは、子どもにどうやって切り出したらわからず、そのままうやむやにして連れて行ったり...なんだか今回は仲間に入れていただいたって気持ちになっています。」


保護者の方がプレイセラピーの過程に関わっていくことが、セラピーを更に効果的にするということは多くの文献で支持されています (Kottman, 2003*; Cates, Panoe, Packman, & Margolis, 2006**)。これまで多くの子どもの相談機関で主流であった、親担当、子担当という2線の平行線をたどるセラピーの構造を再検討し、私たち子どもの臨床に関る者が、保護者の方がプレイセラピーへの理解、協力を深められるように援助していく役目を担っていくことも大切なことではないかと考えます。そのためにも、臨床家として、自分がプレイセラピーをどの様に理解しているのか整理しておく必要があり、このページがそのお役に立てればと思っています。

ここでのセラピストと保護者の方との会話は、あくまでインテークでの会話での一例であり、子ども、家族の主訴、プレイセラピストが立脚する理論、等によって説明は変わってくるものと思います。


プレイセラピーを説明するにあたって、自分だったらこんなことも付け足してお話する、または保護者の方からこんな質問があったが、どのように答えるのが最適か、または保護者の方からのプレイセラピーについてこんなことを知りたい、などとという皆さんのコメント、質問等も受け付けております。tokyocpt@gmail.comまでご連絡ください。


* Kottman, T. (2003). Partners in play;An Adlerian approach to play therapy. (2nd.). Alexandra, VA; ACA press.

** Cates, J., Panoe, T.R., Packman, J.,& Margolis, D. (2006). Effective parent consultation in play therapy. International Journal of Play Therapy, 15(1), 87-100.

 




 

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